WHAT YOU LEARN
この記事でわかること
- 01建設業で応募が集まりにくい背景
- 02求人を出しても人が来ない7つの原因
- 03建設会社が応募を増やすために見直すポイント
目 次
はじめに
「Indeedに求人を出しているのに応募が来ない」
「ハローワークにも掲載しているが、問い合わせがほとんどない」
「施工管理を募集しているが、経験者から応募がない」
こうした悩みを抱えている建設会社・工務店は少なくありません。
しかし、求人を出しても人が来ない理由を、単純に「若い人が建設業に興味を持たなくなったから」と考えてしまうのは適切ではありません。
確かに、建設業では人材獲得競争そのものが厳しくなっています。厚生労働省の「第十一次建設雇用改善計画」によると、2024年度の職業別有効求人倍率は、建築・土木・測量技術者 5.58倍、土木作業従事者 6.10倍、建設躯体工事従事者 8.56倍となっており、全職業の1.25倍と比べても高い水準です。つまり、建設業では一人の求職者を多くの企業が取り合っている状況があります。
さらに国土交通省によると、建設業では55歳以上の就業者が約4割を占める一方、29歳以下は約1割です。若手人材の確保・育成そのものが業界全体の課題となっています。
ただし、だからといって、「建設業だから応募が来ない」と諦める必要はありません。
同じ地域、同じ職種、似た給与水準であっても、応募を集めている会社と集められていない会社があります。違いが生まれるポイントの一つが、「求職者に何を、どのように伝えているか」です。
POINT
建設業の採用は「求人を出す」だけでは競争しにくい
以前
- 求人を掲載
- 求職者が見る
- 応募
現在
- 求人を見つける
- 仕事内容・条件を見る
- 会社名を検索する
- ホームページ・口コミなどを見る
- 他社と比較する
- 応募するか判断
求人票だけではなく、応募するまでの情報設計全体を考える必要があります。

原因1:そもそも建設業の人材獲得競争が激しい
まず知っておかなければならないのは、現在の建設業では、求職者よりも求人の方が多い職種が珍しくないということです。
先ほど紹介した通り、2024年度には、次のような状況でした。
| 職種 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 全職業 | 約1.25倍 |
| 電気工事従事者 | 3.30倍 |
| 建設従事者(躯体工事以外) | 4.59倍 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.58倍 |
| 土木作業従事者 | 6.10倍 |
| 建設躯体工事従事者 | 8.56倍 |
という状況でした。
例えば有効求人倍率5倍であれば、単純計算では求職者1人に対して約5件の求人が存在している状態です。
つまり企業側が、「求人を出したから、誰か応募してくれるだろう」と待つだけでは採用しにくくなっています。
求職者からすると、複数の選択肢があります。その中から選ばれる理由を作らなければなりません。
建設業の採用市場
「求人を掲載するだけでなく、"選ばれる理由"が必要になっている」(R&T編集)
採用で打てる手
まず「応募が来ない=媒体が悪い」と判断するのではなく、表示回数 → 求人閲覧 → 会社への興味 → 応募のどこで人が離れているかを確認しましょう。媒体を変える前に、求人タイトル、仕事内容、採用ページ、会社情報まで含めて確認することが重要です。
原因2:仕事内容が具体的に伝わっていない
求人票で非常に多いのが、「施工管理業務をお任せします」「現場作業全般」「経験者歓迎」といった説明です。
企業側からすると仕事内容を説明しているように見えます。しかし求職者からすると、「具体的に何をするのか」「どんな現場なのか」「一人で担当するのか」「現場はどこまで行くのか」「残業はどのくらいなのか」「入社後すぐ何を任されるのか」が分かりません。
Indeedも求人原稿について、仕事内容が明確でない、抽象的で具体的な数字がない、情報量が不足している求人は採用につながりにくいと説明しています。
仕事内容については、何をするかだけではなく、働く姿を想像できるところまで伝えることが重要です。
❌ NG例
建築現場における施工管理業務を担当していただきます。
経験者歓迎。
✓ 改善例
東京都・埼玉県を中心とした現場で、職人・協力会社との打ち合わせ、工程確認、写真撮影・施工記録、資材の確認、お客様との打ち合わせなどを担当します。
入社後すぐに一人で現場を任せるのではなく、まずは先輩社員の現場に同行し、会社の仕事の進め方を覚えていただきます。
どちらの方が働く姿を想像しやすいでしょうか。
仕事内容を具体的にすることは、単純に応募を増やすだけではなく、「思っていた仕事と違った」という入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。

採用で打てる手
求人票を作るときは、職種名ではなく、「その人が入社した初日から1年後まで、何をするのか」を説明するつもりで書いてみましょう。
原因3:「未経験歓迎」だけでは不安を解消できていない
若手採用でよく使われる言葉があります。「未経験歓迎」。もちろん重要な言葉です。
しかし、求職者が本当に知りたいのは、「未経験でも応募できるか」だけではありません。例えば、「入社したら誰が教えてくれる?」「何ヶ月くらいで仕事を覚える?」「資格は必要?」「資格取得費用は会社が出してくれる?」「最初から現場に一人で行く?」「未経験で入った社員はいる?」という不安があります。
Indeedも、求人情報では実際の働く環境や、働いている人、仕事内容などを具体的に記載することで、求職者が自分に合う職場か判断しやすくなるとしています。
つまり、未経験歓迎だけではなく、「なぜ未経験でも大丈夫なのか」を説明する必要があります。
未経験者に伝えたい情報
- 入社後1ヶ月の仕事内容
- 教育担当は誰なのか
- 独り立ちするまでの期間
- 資格取得支援
- 未経験入社した先輩の実例
- 1日の仕事の流れ

採用で打てる手
「未経験歓迎」を、応募条件として書くだけではなく、未経験者が成長できる根拠まで見せましょう。
原因4:給与・休日などの条件しか比較材料がない
求人媒体では、多くの企業が同じフォーマットの中に表示されます。そのため求職者から見える情報が、給与・勤務地・休日・勤務時間だけになってしまうと、会社同士の違いが分かりません。
そうすると当然、「給与が高い会社」「休みが多い会社」「家から近い会社」が選ばれやすくなります。しかし、中小建設会社が大手企業と給与や福利厚生だけで競争し続けるのは簡単ではありません。
だからこそ、条件以外の「働く理由」を伝えることが重要になります。
例えば、若いうちから現場を任せてもらえる、社長との距離が近い、転勤がない、地域密着で働ける、資格取得を会社が支援する、一つの建物を最初から最後まで担当できる、施工管理から設計へキャリアを広げられる、社員同士の関係、会社が大切にしている考え方などです。
これらは求人検索画面だけでは伝わりにくい情報です。
POINT
比較される軸を増やす
求人票だけ
- 給与
- 休日
- 勤務地
採用情報を充実
- 仕事内容
- 社員
- 教育
- キャリア
- 社風
- 施工実績
- 代表の考え方
- 会社の将来
原因5:会社の雰囲気や働く人が見えない
転職は求職者にとって大きな決断です。特に建設業では、「怖い先輩はいないか」「職人気質で怒鳴られないか」「人間関係はどうか」「未経験でも馴染めるか」といった不安を持つ人もいます。
この不安は、「アットホームな職場です」「風通しの良い会社です」という文章だけではなかなか解消できません。
そこで重要になるのが、社員の顔と実際の仕事を見せることです。
掲載したい情報
- 社員インタビュー
- 入社理由
- 前職
- 入社後に苦労したこと
- 仕事の面白さ
- 1日のスケジュール
- 社員同士の写真
- 現場で働いている写真
- 社長・代表メッセージ
企業側が「良い会社です」と言うだけではなく、実際に働く社員の言葉を見せることで求職者が判断しやすくなります。

原因6:求職者が会社を調べたときに情報が足りない
求人媒体で会社を知った求職者が、そのまま応募するとは限りません。多くの求職者は応募前後に会社について調べます。
エン・ジャパンによる転職者向け調査では、企業研究の情報源として、企業ホームページ、転職サイト、会社口コミサイトなどが主要な情報源になっています。
過去の同社調査では、企業ホームページを確認すると回答した転職活動者が88.7%、企業ホームページ内の採用ページを確認する人が70.4%でした。また、2024年に4,513人を対象として行われたエン・ジャパンの調査では、社員口コミを見る人のうち91%が「応募前」に口コミを確認すると回答しています。
※調査時期・対象者・サービス利用者によって結果は異なるため、すべての求職者に当てはまる数字ではありません。
重要なのは、求人票を見た後にも企業選びは続いているということです。
例えば会社名を検索して、ホームページはある。しかし採用情報を見ると、「募集職種・給与・応募はこちら」だけ。これでは求人媒体と情報量が変わりません。求職者が知りたい、「この会社で働くと、どんな毎日になるのか」が伝わらないのです。
求職者の動き
※ 求人媒体から応募までの求職者行動フロー(R&T編集)
採用で打てる手
自社の会社名をGoogleで検索して、「求職者の立場で何が見えるか」を確認してみてください。特に、採用ページ・社員紹介・現場写真・Google検索結果・口コミ・SNS・求人媒体の内容に矛盾がないか確認しましょう。
原因7:応募までの導線に問題がある
せっかく求人に興味を持ってもらっても、応募の手続きが分かりにくければ離脱する可能性があります。
例えば、応募ボタンがどこにあるか分からない、スマホで入力しにくい、入力項目が多い、採用ページから求人一覧へ移動できない、電話応募しかない、求人内容と応募フォームの職種名が違う、古い求人が掲載されたまま、といった状態です。
採用ページを作る目的は、情報を掲載することだけではありません。最終的には、「この会社についてもっと知りたい」→「応募してみよう」という行動につなげる必要があります。
採用で打てる手
採用ページをスマートフォンで開き、会社を知らない求職者になったつもりで応募完了まで操作するだけでも改善点が見つかります。
NEXT STEP
まず自社の採用導線を確認してみませんか?
求人票だけを直すのではなく、「見られる → 理解される → 安心される → 応募される」までの流れを整理することが重要です。
無料相談はこちら →応募を増やすために確認したい5つのポイント
ここまでの内容を整理すると、建設会社がまず確認したいのは以下の5項目です。
求人が見られているか
表示回数・クリック数などを確認。見られていなければ、求人タイトル・職種・勤務地・媒体選定から改善する必要があります。
求人を読んで仕事内容が理解できるか
「施工管理」「現場作業」だけで終わっていないか。具体的な業務・現場・1日の流れを伝えます。
入社後の不安を解消できているか
教育制度、資格支援、働く人、休日、残業、キャリアなどを確認します。
会社名を検索したときに魅力が伝わるか
求人媒体だけではなく、企業HP・採用ページ・口コミ・SNSまで確認します。
応募しやすいか
スマートフォンで応募まで操作して確認します。
| 段階 | 考えられる離脱理由 |
|---|---|
| 表示 | 求人が求職者の目に留まっていない |
| クリック | 求人タイトルに興味を持たれていない |
| 求人を読む | 仕事内容や条件が伝わっていない |
| 会社を調べる | 検索した先の情報が足りず不安が残る |
| 応募 | 応募方法が分かりにくく離脱している |
※ 応募が来ない場所を特定するファネル(R&T編集)
CHECK
求人を増やす前に確認する
応募が来ない場合、このどこかにボトルネックがあります。「応募ゼロ=広告費が足りない」とは限りません。
FREE CONSULTATION
求人を出しても応募が来ない建設会社様へ
R&Tでは、求人媒体だけを見るのではなく、求人原稿・採用サイト・会社情報・応募導線まで含めて採用活動を整理します。
現在の採用導線のどこで求職者が離れているのかを確認し、改善方法をご提案します。
よくある質問
Q.Indeedに求人を出しているのに応募が来ません。何を見直せばいいですか?
まず、表示回数・求人閲覧数・応募数を分けて確認しましょう。そもそも求人が見られていなければ、職種名・求人タイトル・勤務地・掲載方法などの見直しが必要です。求人は読まれているのに応募されない場合は、仕事内容・条件・会社情報・採用ページなどに改善余地がある可能性があります。
Q.給料を上げないと応募は増えませんか?
給与は重要な条件の一つですが、それだけで採用が決まるとは限りません。仕事内容、休日、勤務地、働く人、教育体制、将来のキャリアなど、求職者は複数の情報から会社を比較します。給与水準を確認したうえで、自社ならではの魅力を具体的に伝えることが重要です。
Q.採用サイトを作れば応募は必ず増えますか?
必ず増えるとは言えません。採用サイトは求職者が会社を理解するための「受け皿」です。求人自体が見られていない場合は、求人媒体や検索、SNSなど「入口」の改善も必要です。求人への集客と、応募前の情報提供をセットで考えることが重要です。
Q.ホームページに採用情報があれば十分ではありませんか?
会社概要と募集要項だけでも最低限の情報提供はできます。ただし、社員紹介・仕事の流れ・教育制度・キャリア・現場写真・代表メッセージなどがあることで、求職者は入社後を具体的に想像しやすくなります。現在の採用ページに「求職者が知りたい情報が揃っているか」という視点で確認することが重要です。
Q.若い人を採用するにはSNSが必要ですか?
SNSは有効な入口の一つですが、必須とは限りません。重要なのは、誰を採用したいのか→その人がどこで仕事を探すのかから逆算することです。求人媒体、検索、SNS、学校、紹介、ハローワークなどを組み合わせる方法もあります。
まとめ
建設業で求人を出しても応募が来ない背景には、業界全体の人材不足があります。しかし、「建設業だから仕方がない」だけで終わらせる必要はありません。
建設業は求職者に対して求人が多く、企業間の人材獲得競争が激しくなっています。
仕事内容や教育体制、社員、職場環境などの情報が不足すると、求職者は入社後をイメージしにくくなります。
現在の求職者は求人媒体だけを見るとは限らず、企業HP・採用ページ・口コミなど複数の情報を確認して応募を判断します。
そのため、求人媒体 → 会社を知る → 企業研究 → 比較 → 応募という一連の導線を設計することが重要です。
求人を出しても応募が来ないとき、広告費を増やすことだけが解決策ではありません。
「求人は見られているのか」「仕事内容は伝わっているのか」「会社の魅力は伝わっているのか」「応募前の不安を解消できているのか」を一つずつ確認することで、自社が改善すべき場所が見えてきます。
NEXT STEP
求人を増やす前に、
現在の採用導線を確認してみませんか?
R&Tでは建設会社・工務店の採用状況をヒアリングし、求人媒体 → 求人原稿 → 採用サイト → 応募までの流れを整理します。自社の採用でどこを改善すべきか分からない場合も、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
R&T 採用支援チーム
建築会社・工務店の採用支援専門チーム。採用サイト制作から求人原稿・求人媒体連携・応募導線設計まで一貫対応。
参考資料・出典
- 国土交通省「建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます」
建設業では技能者のうち60歳以上が約4分の1、29歳以下が約12%であり、若年層の確保・育成が課題とされています。
- 厚生労働省「建設雇用改善計画(第十一次)の策定及び実施について」
2024年度の建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.58倍、土木作業従事者6.10倍、建設躯体工事従事者8.56倍とされています。
- Indeed「採用お役立ち情報局」
仕事内容の具体性、勤務条件、職場環境など、求人原稿で求職者に伝えるべき情報について解説されています。
- エン・ジャパン「ニュース・調査」
企業研究で参考になる情報源として、企業ホームページ、転職サイト、会社口コミサイトなどが挙げられています。
- エン・ジャパン「社会人4,500人に聞いた『転職活動時のクチコミ閲覧』実態調査」
2024年調査(回答者4,513名)では、社員口コミを見る回答者の91%が応募前に口コミを確認すると回答しています。
※本記事は、公開されている調査・統計資料を参考にR&Tが工務店・建設会社向けに編集しています。
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